大切な友人が消えた

これはブログというよりは、大切な思い出としての備忘録みたいなものだから、誰かに読まれることを前提に書いていないです。

 

一昨昨日、僕は大切な友人を失った。その人の名前はSさん。その人とは、TwitterLOLフレンド募集のタグを見てDMをして知り合った。僕はLOLを1年半ほどプレイしているけど、これまでに20人ぐらいの人に声をかけてきたけど、結局長く付き合えた友人はその人を除いて1,2人だけだった。みんな「今度やりましょう~」って言って結局一度も一緒に遊ばなかったり、一回遊んで「今日はありがとうございました~」でもう二度とやらなかったり、しばらく何回か遊んでついに自分の居場所を見つけたかと思いきや距離を置かれたりばっかりだった。
Sさんは、そうした人達の中で唯一長く一緒に遊べて、向こうはどう思っているかはわからなかったけれど、自分が心の底から一緒に遊びたいってずっと思える人だった。初めて会った時は人見知りであんまりしゃべってくれなかったけれど、次第にずっと二人でTFTやボットデュオをやって、何気ない日常の話や別のゲームを一緒にプレイするほどの間柄になった。

その人は優しくてとても穏やかな人柄で、でもどこか精神的に安定していなさそうで、また後ろめたいことを隠しているようにも見えた。特にあまりリアルの話はしてくれなくて、適当にお茶を濁されることが多かった。バイトを一応してはいるけれど何をしているかは教えてくれず、また今の自分の現状をほかの人に聞かれたくないと強く言っていた。高校時代に誰とも会話をしたくない時期があったらしく、高校の友人とは誰とも今連絡を取っていなくて、中学の人にしかそのすべてを話していないって。不思議に思いつつも今思えばこうした言動が彼を刺激してしまったのかもしれない。

事件は一昨昨日起こった。その昨日まではいつも通り彼と一緒にTFTを嗜んだ。特段普段と変わった様子はなくて、しいて言うならば少し眠そうにしていた。そのTFTが終わって1時ぐらいに「おやすみ」と言ってその日は解散した。それが彼と交わす最後の言葉だった。

翌日、大学に行って楽しくもない輪読と研究室での作業を終えて帰宅して、いつも通りLOLをつけると、フレンド欄に彼の名前がないことに気づいた。僕はこういう経験を何度もしているからその瞬間から戦慄が走った。まさかと思って、彼が作っていたDiscordのサーバーを見ようとしたらそれはもうすでになくなっていた。DiscordのDMで彼にそれをたずねようとしたけれど、案の定ブロックされて送れなかった。Twitterを開いても、ブロックされていますという冷たい文字が浮かび上がるだけだった。

最初は自分と遊んでいるのが嫌になってこんなことになったのかと思った。でも何も思い当たる節がない。今まで僕はたくさんの人と不祥事を起こし、ブロックも3,4回されたことがある。どれも自分の未熟な気質による行動のせいだった。でも今回は違う。少なくとも最後に遊んだあの日に何か仲が悪くなるようなきっかけはなにもなかった。いつも通りARAMをして、TFTをして、楽しく会話しただけだった。

理由を探るために一緒のサーバーにいたTさんにこの話をすると、どうやらTさんもブロックされていることが分かった。SさんとTさんは特段そこまで一緒に遊んだというわけではないから、この時僕は、SさんがLOLでかかわった人すべてをブロックしたのだと理解した。だから、僕のことが嫌いになってとかではなくて、なにかほかの問題があってこんなことになってしまったのではないかと思った。

とにかく、僕はSさんとどうしても関係が切れたくなくて必死だった。すぐにツイッターで別垢でDMをして、いなくなった理由と僕に問題があれば謝るといった旨のメッセージを送った。けれどものの30分でブロックされてしまった。内容も読まれていないようだった。理由はわからないけれど、少なくとも現在はもう一切誰とも会話をしたくないようだった。

僕はここ一か月、ほとんどその人としか遊んでこなかった。歳が近くて、こんなにやさしくて穏やかな性格の人で、一緒に遊ぶゲームも同じで、これから先大事にしようと思った矢先のことだった。その人にブロックされてもう二度と一緒に遊べないって思ったら、喪失感で胸が痛くて息がとても苦しかった。幸いにも、僕には相談できるコミュニティや友人がいくらかいたから、今回の件についていろいろと話した。

あるコミュニティでは、単純に僕が嫌われてたけれど穏やかな性格だからずっと黙っていて遂にブロックしたのではないか、とか、その人に彼女か何かがいて全ての関係を切るように言われたんじゃないか、と推測された。でも確かに、その人に彼女とかはいたのかもしれない。前に一度、生きてる希望とか目標はあるの?とたずねたときに、ある。と言われた。加えて、「それがなかったら今自分は生きていないかもしれない」とまで言われた。僕にはそういうのがなかったから、その発言を聞いてちょっと嫉妬してしまったのを覚えている。その詳細については一切教えてくれなかった。

もう一人の友人に相談したら、人間関係を定期的にリセットする人種がいるという話をされた。調べてみたら人間関係リセット症候群なるものがあるらしく、確かにその可能性は大いにありそうだった。また、その人曰く、戻ってくる可能性は低いとのこと。僕はその人の発言をかなり盲信してしまっているから、そういわれたときとても苦しかった。

その人がいなくなって3日後、今この記事を書いている。時間がたてばいつか連絡がきたりするのだろうか。もし来なかったら僕はどうすればいいんだろう。その人と遊んだ僕にとって1か月は至福の時間だった。いなくなってこそ、初めから会わなければよかったって強く思う。少なくとも今もその人はどこかで生きていることだけが確かだった。きっとその人の性格上、もし落ち着いて僕のことを思い出しても、一度ブロックしてしまったことを気にして、たぶん二度と連絡はくれないんだろうと思う。そういう性格の人だったから。友人の言う通りもう連絡を取る可能性は極めて低い。けれど、1日だけでもいいから、後生だからもう一度だけ話す機会が欲しい。何が起こったのか、もう一度だけ一緒に話したい。あの日、寝る前にもっと会話をしておくべきだった。

もう僕にできることは何もない。いくら後悔しても、いくら悲しんでもその人は戻ってこない。もしかしたら戻ってくるかもしれないけれど、それをずっと期待しながら生きるのはあまりにも辛すぎる。だからこうして悲しむだけ悲しみ切って、その人のことを忘れないようにここに書き留めて、ゆっくり休もうと思う。その人の代わりになるような人はきっと見つけられないけれど、その人のことを忘れられるぐらいに、また一からLOLの友達を探しに行こうと思う。そして今度は、こうならないように、2人で遊ぶんじゃなくてコミュニティとして、傷が浅く済むように複数人と遊ぶことにしよう。

楽しい思い出をありがとう。Sさん。